
ドイツで演奏していたところを認められ、
単身アメリカに移住し、
BLUE NOTEに2枚のアルバムを録音し、
これからという時に突然引退してしまったユタ・ヒップ。
引退の理由は多くを語っていないが、
先輩ミュージシャンのハラスメントという説が有力だ。
まだ女性差別のあった50年代、
若い女性がジャズミュージシャンとしてやっていくのは
並大抵のことではなかったのだ。
引退後は縫製工場で働きながら
絵を描いて暮らしていたという。
音楽と同じくらい絵も才能があり、
今でもニューヨーク美術館に彼女の絵が収蔵されているそうだ。
ところで、このアルバムだが、
ピアノ演奏を期待していた人はがっかりしただろう。
一応ユタの名義になっているが、
事実上はズート・シムズのリーダーアルバム。
ユタは脇役に徹し、ソロはごくわずかだ。
それでも、ユタが好きな人は彼女の残り香を追い求めるように
このアルバムを繰り返し聴いているのだろう。
それにしても、ズート・シムズとジェリー・ロイドの管陣営の
無邪気に明るいこと!!!!!!
ユタの悩みなんか何にも知らなかったんだろうな~~~。